ぼんやり日記

毎日の記録

学び直し

◎2020年7月8日(水)

 

 「元気?」

 前職の同業仲間から、半年ぶりくらいのLINE。こういう時は大体「ペアーズでうまく行かなかった~」と愚痴られるのだ。1年前、東京本社の行きたかった部署に栄転し、家賃15万円のデザイナーズマンションに住む男…。ハイスぺでむかつくくらいなのだが、恋愛においてはポンコツなのが憎めない。話したいらしく、電話すると、案の定「マッチングしたハイスぺ女子と会ったけど、ピンとこない。僕って高望みなのかな…」という話。withコロナ時代でもたくさん人に会っているようだ。「恋愛は日常だから」とのこと。似たような話を知り合ってから5年くらい聞いてるけど、一向に変化がない。煮え切らねえなーとツッコミつつも、その変化のなさに安心もする。

 

 私の転職話をする中で、「1年前話したこと覚えてる?医者になりたいって話」と切り出される。友達が東京に行ってすぐのころ、電話でぐだぐだと仕事の愚痴を言い合う流れで「いまの仕事を選んでなかったら何したかった?」という話題になった。私は弁護士と答えた。確か、当時仕事で関わることもあり、社会での存在意義の大きさに憧れてたんだと思う。「やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる」というスクールロイヤードラマにハマっていたというミーハーな理由もある。もちろん法学部出身ですらなく、いまさら勉強するつもりもない。本気じゃない。友達は医者と答えた。定年がなく食いっぱぐれることのない仕事に就きたいという理由。与太話の一つだと思っていた。

 

 それが去年の秋から予備校に通い、今年中に編入試験を受けるという。まさか、本当に行動に移していたとは。「どこにそんなモチベーションあったの!偉すぎる!尊敬!ただのペアーズ男じゃなかったのね」とまくし立てると、「馬鹿にしてるでしょ」と笑われた。でも、本当にそう思った。激務なのによく勉強ができるよ。あんなに東京で働きたいって言ってたのに、受験予定の大学はどこも三大都市圏から離れている。そこで5年か。それでもやりたいって思えたんだなあ。ずっと変わらないと思っていた人が、変わろうと動く姿はさみしいけど励まされる。

 

 それにしても、社会人になってからも学び直せる、そういう選択肢があるんだなーと。大学進学時に選んだ学問が本当に学びたかったことなのか、新卒で就職時に入った会社が自分に合った場所だったのか。ミスマッチや方向転換は全然ありうるわけで。社会人数年目で、自分で稼いで貯めたお金を使って、学び直すというのは理にかなっている。ただ、友達はかなりの高給取りだから実行に移せるというのもある。誰でも、どんな仕事に就いたとしても、方向転換するための資金を貯められるくらいの給料が保障されていればなあ。とにかく、友達が無事に希望の大学に合格するよう祈る!でも、今週もペアーズ女子とデートらしい…。