ぼんやり日記

毎日の記録

かわいい

◎2020年6月8日(月)

 

 美容院に行った。3月に髪を染めて、30センチくらい切った以来。コロナ禍で自粛しているうちに、いつも目の少し上で揃えていた前髪も鼻まで伸びた。伸びるスピード早い。長い前髪を分けているのだが、丸顔だから大人っぽく見えて、このままでもいいかと思い始めていたけど、髪全体がわかめのようにもりもり増えている。頭頂部がプリンになってきたし、観念した。

 引っ越してはじめての美容院なので、新規で探すのが億劫というのも髪を放置した一因。とりあえずホットペッパービューティーで検索して、高校時代の最寄り駅の玉造の美容院を選んだ。①コンサバ感がなくてゆるめのスタイリング②少人数のこじんまりしたサロン、というのが気に入った。

 

 鶴橋から歩き、日之出通商店街を抜けて玉造に到着。駅は高校時代とすっかり変わってフードコートなんかができている。テーブルに参考書を広げている女子高生が見えて、いいなあ。校則が厳しくてコンビニにさえなかなか入れなかった高校時代の私も羨んでいる。

 

 美容師は30代前半くらいの女性で、客は私だけだった。自宅以外で、大きな鏡で、マスクを着けていない自分の顔をまじまじと見るのは久々だ。マスクが顔の一部になりつつある。美容院の何が好きって、他人にとってはどうでもよさそうな自分の見た目に関する細かい話が堂々とできるところ。「髪を伸ばしたいので全体は揃えるくらい」「ぺたんこになるのが嫌」「髪色は明るくて涼しげな感じがよくて」「前髪はシースルー気味で」「最終的に田中みな実っぽくなりたい」…。芸能人でもないのに、無茶な注文が多い。でも、自分のなりたい姿を一緒に考えてもらえるのがうれしい。頭や髪に触れられると癒される。人として大切に扱ってもらえていると自己肯定感がアップする。

 

 髪を洗ったり、ドライヤーで乾かしたり。行程が進む度、以前まで5年間通った美容院の良さを思い出した。シャンプー後の頭と肩のマッサージの気持ちよさとか、ブローの丁寧さ、あれは当たり前じゃなかったんだなあ。今思えば、かなり満足度が高い。それに比べると、ここは少し丁寧さに欠ける。「彼氏はいるんですか?」とか、雑談中に恋愛面を突っ込んでくるのも少し嫌…。でも、切り終えた後、「せっかくだし、アレンジしませんか?」と聞いてくれた。「不器用でもできそうなのを…」と注文すると、全体をコテでゆるめに巻いて、あっと言う間にこなれた感じのハーフアップが完成。「かわいい!」。2人の声が揃ったとき、ちょっと心がこそばゆくなって、次も来ようかなと思った。この人なら、自分の目指す「かわいい」について親身に聞いてくれる気がする。