ぼんやり日記

毎日の記録

感傷を超えて

◎2020年5月25日(月)

 

 「みんな出てる!泣けます」。朝起きたら、前職の後輩からLINEが来ていた。乃木坂の新曲MVのURLを貼ってくれていたので、さっそく見る。「隣人よ そこにいて」「手を握らなくても」。なるほど、結構直球。ステイホームを秋元康流にいうとこうなるのか。全ての都道府県で緊急事態宣言が解除された日に発表が重なるって、タイミング的に狙ってたのかしら。油断するな、という意味で。「なんてちっぽけな存在なんだ この部屋から祈ることしかできなくて」。でも、この歌詞のような感傷的な気分になる時期は既に超えてしまったように思う。いまは、冷静に検証しなくてはいけない時期。それに、祈るだけじゃ変わらなかったけど、怒りを発信することで一律10万円(完全によかったとは言えないけど)につながったし。

 

 曲調は「羽の記憶」に似て結構いい感じ。MVもみんな可愛い。

①西野・白石のシンメオタをくすぐるカット割り。(卒業しても&ステイホームとのダブルの意味で)離れていても、一緒にゲームで対戦しているという設定がいい。

②まいちゅんがどストレートに可愛い。アイドル満点の笑顔。

③茶碗にこんもり盛った白米を食べるまちゅ。これを自撮りしていると思うと愛おしさ倍増。

 

LINE交換

◎2020年5月24日(日)

 

 上司らが会議で席を離れ、フロアから人が減った昼下がり。アルバイトの40代の女性がさっと近寄ってきて「ねえ、LINE交換しよ!」とスマホを差し出した。学校の授業が急に自習になった時、話しかけてくる同級生みたいだ。女性のアイコンがアニメのキャラクターだったので尋ねると「娘が書いてくれたの。文豪ストレイドッグス中原中也ってキャラでね。大好きなの!あ、アニメとかあんま見ない?」と目をきらきらさせて語る。「うーん、少女漫画とかなら」と答えると「じゃ、フルバスは見てる?私好きなのよ」。「あ〜昔やってましたね!」「ううん、また新バージョンやってるの」。知らなかった。結構いろんなジャンル見てそうだ。周りにあんまりアニメ好きな年上の人がいないから、新鮮だった。

 

 しかし、少女漫画といっても幅広い。私は花とゆめ系に疎い。今続けて買っているのは「A子さんの恋人」「凪のお暇」「違国日記」とか。雑誌で言ったらフィール・ヤングが好み。いや、フィール・ヤングって少女漫画なのか?「どんな漫画を読む?」と聞かれて雑誌の名前を答えると、好きな系統のイメージが伝わるのかな。あ、でもいま日記を書いていて最近「映像研には手を出すな!」を見ていたなと思い出した。「けいおん!」以来約10年ぶりにアニメを見た。

 

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 私のLINEのアイコンは、あいちトリエンナーレの「葛宇路(グゥ・ユルー)」という展示作品。自分の名前を書いた看板や標識を北京の名もなき道路に設置すると、みんながその名前を使いだして、グーグルマップにも掲載された。いまは行政が看板を撤去し、道路には正式な名称が付けられたけど、当時の駐車違反切符とか公的な書類にも「葛宇路」と記載されていたらしい。うーん、痛快。アフター・コロナのあいトレも楽しみ。

 

イガイガさせない

◎2020年5月23日(土)

 

 職場にハタチくらいの若い男性アルバイトがいる。黒髪で前髪が重めで、ぶかっとした服を着た、いまどきのおしゃれな子って感じ。違うフロアにいるのであまり関わることはないのだが、働き始めて2日目に昼ご飯の時間がたまたま被ったので、「これからよろしくお願いします!」と話しかけた。彼は弁当を食べながらうつむいていて、何も反応しない。あれ?と思ったら、ワイヤレスイヤホンをしてタブレットで動画を見ていた。私の視線に気づいたらしく、イヤホンを外してこっちを向いたのでもう一度「あの~よろしくお願いしますね。またいろいろ…」。彼は「あ、はい。お願いします」と小さい声で返し、そのまま動画に視線を戻した。あっさり。会話続けたくなさそう。同じ長テーブルの端っこと端っこでご飯を食べるから、何も会話がないのは気まずいと思ったけど、イヤホンしているのは、話しかけないでほしいってことだよね。でも、社交辞令でもいいから、もう少しなんかあるでしょ!いまどきの子は~!なんて思ってしまった。かといって、ずっと会話が続くのも面倒なのだが(ひどい)。

 その数日後にもお昼が被ったが、私と話していた別の人が「~だと思うよね?」と彼に同意を求めたら、やっぱり動画を見ていて気付いていなかった。普段からあまり人と話したくないみたいだ。

 

 この日、職場のアルバイトの人の研修レポートを読んでいた。彼のレポートには「自分は自閉症だ」と書かれていた。あーそうだったのかと腑に落ちた。考えが至らなかった。冷めた若者だとすぐに苦手認定して、私って意地悪なやつだなと思った。職場でも担当が同じ人たちはおそらく知っていて、ちゃんと理解があるからうまくやっていると思われる。事情を知らないと戸惑ってしまうけど、それはそうとして、誰にでも苦手なことはあるんだから、そんな簡単に心をイガイガさせちゃだめだな。前にLINEマンガで読んだ石山さやかさんの「東さんのアルバイト」を思い出した。

 

 夜は一週間に一度のお楽しみ、野ブタ。をプロデュース第7話。「野ブタに抱きしめられて初めて分かった。俺は、寂しい人間だ」。カーッ!よすぎる。抱きしめられてこれが分かる高校生ってつらい…。普通は「野ブタが好きだ」って来ると思うじゃん。皆の望むように賢く振舞う人気者の修二くん、本音を隠して皆をだます代償がこれだったんだよね。

 

鈴愛に会いたい

◎2020年5月22日(金)

 

 職場の休憩時間は1時間なのだが、きっちり1時間取る人がいない。30分くらいでご飯を食べてささっとデスクに戻って仕事をしている。もったいないと思いながらも、その空気に抗えず私の昼休みも短くなりつつある。

 

 今週の「エール」よかった。いつも裕一を救い出す音はヒーロー。かっこいい。朝ドラで実在の人物をモデルにすると、大抵昭和を描くことになる。当時のジェンダー意識をそのまま反映すると旧来的な価値観を推奨しているように見え、そうした価値観の再生産にもつながりかねない。かといって今のものの見方だけで描くと、史実と乖離してしまう。だから匙加減が難しいのだけど、ここ数年朝ドラを見ていると、そこを意識して作られていると感じ取れて面白い。私が朝ドラで特に好きなのは「半分、青い。」の楡野鈴愛。創作だけど、脚本の北川悦吏子自身が投影されている。わがままだとか自己中だとかバッシングが多かったけど、わがままなのがいいんじゃん。怒りを素直にぶちまける姿も好き!視聴者の好むいい子の枠をぴょーんと飛びこえていくあの子にまた会いたい。

 

 

屍のポーズ

◎2020年5月21日(木)

 

 Zoomでヨガレッスンの無料体験。ポーズの名前がかわいいね。猫やらチャイルドやらワニやら。屍のポーズは仰向けに寝転んでリラックスするポーズで、もう寝てるようなもの。「自分の内面とゆっくり向き合いましょう」とのことだが、やっぱり睡魔に襲われた。うたた寝しそうになって意識が遠ざかる時ってなんであんなに気持ちいいんだろう。寝てはいけない時に寝るのが快感。

 

 新型コロナウイルスで空白の時間が増えたけど、悪いことばかりでもないなと最近思う。今まで忙しすぎて、考える時間を奪われていた人はきっと多いから。検察庁法案のツイッターデモとかまさにそう。普段から似たような活動はあるけど、今回こんなに盛り上がったのは、自粛生活の中で考える時間が増えたのも要因の一つだろう。否が応でも政治を意識しなくてはいけない。無関係だなんて誰も言えない。でも、また働きづめの世の中に戻ったら、この空気を忘れちゃうんじゃないかなと思う。空白や無駄を死守して暮らしたいな。そういえば、「新しい生活様式」なんて、国が人の生活を教科書のように言うのもどうかと思うネーミング。権力に自覚的にならないと。

 

偶然

◎2020年5月20日(水)

 

 久しぶりに職場に全員そろった。そもそも新入りなので、元の状態を知らなかったけど…。私より少し前に転職してきた同期の女子に会うのは2回目。昼ご飯を一緒に食べて、マスクを取った姿を初めて見た。私以外に20代の同僚はこの人だけ。心細いので、適度に仲を深めたいと思う。話の流れで、大学時代にサークルで、高松市の大島青松園の利用者と交流していたと教えてくれた。

 

 私も昨年の夏、瀬戸内国際芸術祭で大島を訪れた。展示を見ていたら入所者の高齢男性に声を掛けられ、付いていくと、展示会場の一つ。建物の中はカラフルで夢みたいな空間が広がっているのだが、そこは元々彼が昔住んでいた場所で、いまも庭でトマトやナスを育てていた。近くの木からビワをもぎ取ってくれて、一緒に食べながら、「昔はひどかった。いまは、船で高松行ってパチンコ行く楽しみがある」と話してくれたのを覚えている。

 

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 その話を同僚にすると、「もしかして○○さん?」とビンゴ。話好きで、人懐っこい人といえば…とピンと来たらしい。こんなところでつながるって不思議だ。また会ってみたいけど、新型コロナの影響で、島に渡るのは自粛が求められている。高齢の入所者を守るため。あの人もパチンコに行けず、落ち込んでいるだろうか。

 

 夜は友人が電話したいというので、3時間も話し込んでしまった。長時間の割には内容を思い出せない。

 

 覚えているのはこれくらい。うーん、くだらない。

・最近の髪の毛伸ばしてるヒャダインがかっこいい

木皿泉のドラマにハズレなし。小林聡美の出演作も当たりが多い。

・歳とったら都会の方が便利だから、若いうちに田舎に住む方がいい。

・東京と大阪の下町の雰囲気は全然ちがう。谷根千に行ってみたい。

・あと12年で40歳になる!中身は10代に培った基盤から変わらず、自分の浅はかさに落胆。でも、他人に対してどう振る舞うべきかは日々アップデートしている。

・遺影は気に入ったものを使いたいけど、何年前の写真までありか。90歳のときに10代の姿だったら変?

・自営業やってる友人の親が、客に文句を言われて「金なんていらねえよ」と300万円を請求しなかったと発覚。同様のケースはまだあるとみられる。

 

 

一人になりたい

◎2020年5月19日(火)

 

 朝は霧が出ていたけど、昼にはすっかりいいお天気。最近気づいたのだが、職場でちょっと席を空けるとき、「トイレ行ってきます」と律儀に毎回報告する人がいる。一人じゃなくて数人。そんな短時間のトイレくらい言わなくてもいいのにな、と思うんだけど…社会人の常識なのかな。私は言いたくない。昼ご飯を食べる部屋も狭くて、ちゃんとした休憩スペースもない。職場で一人になれる場所がないのが、ちょっとつらい。前まで会社員だけど個人商売的な働き方だったから、こういうザ・オフィスな感じに慣れない。

 

 Zoom会議中、スマホに昔の同僚からの着信が入った。「仕事終わったらかけ直す」とメッセージを送り、定時ちょっと過ぎにオフィスを出て電話した。「おっすおっす。会社辞めたんだって?転職したの?」と第一声からぐいぐい来る。1年と少し前まで一緒に働いていた彼はいま東京にいる。そして私も辞めた。もう一人の同期も辞めて田舎に帰り、残り一人しか会社に残っていない。転職活動、コロナの影響、職場の人の噂話。今日から再開した駅ビルの店に入って洋服を物色しながら話したが、長くなりそうなので歩き出したら、そのまま一駅分。歩いて正解だった。いろいろ将来への不安もこぼしたが「定時に帰れる仕事に就けて最高じゃん」と言われて、まあそうだよな。次会うなら、11月にある会社の先輩の結婚式。果たして決行されるのか。そのころどうなっているんだろう。